小倉京佳句集『水のかたち』
(みずのかたち)
2018/3/20刊行
![](http://www.chi-in.jp/kongetsu/wp-content/uploads/2019/01/70726f647563742f32303138303331335f6535303762362e6a7067003235300000660066-203x300.jpg)
◆第一句集
転がつて踏みとどまつて芋の露
逃水の挑発一歩踏み出さん
教師として、また一人の女性として
日常に流されることなく踏んばることの大切さ――。
いまや京佳さんの掌中の玉となりつつある俳句ワールドにおいてこそ、
思い切った前進があるはずだ。
やがてはっきりと一筋の道が展けて来るに相違いない。
(帯より・行方克巳)
◆行方克巳抄出十句
学校の梅雨の廊下の粘土の香
踏んづけてこじ開けにけり栗の毬
微笑みつマスクの中に毒づきぬ
白墨の残りし指に胼薬
ぎくしやくとラジオ体操チューリップ
ゴールデンウィーク窓拭き床磨き
雀の子知りたがりやの首傾げ
片翼に気流を押さへ冬鴎
転がつて踏みとどまつて芋の露
逃水の挑発一歩踏み出さん