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小倉京佳句集『水のかたち』
(みずのかたち)
2018/3/20刊行

◆第一句集

転がつて踏みとどまつて芋の露
逃水の挑発一歩踏み出さん

教師として、また一人の女性として
日常に流されることなく踏んばることの大切さ――。
いまや京佳さんの掌中の玉となりつつある俳句ワールドにおいてこそ、
思い切った前進があるはずだ。
やがてはっきりと一筋の道が展けて来るに相違いない。
(帯より・行方克巳)

◆行方克巳抄出十句
学校の梅雨の廊下の粘土の香
踏んづけてこじ開けにけり栗の毬
微笑みつマスクの中に毒づきぬ
白墨の残りし指に胼薬
ぎくしやくとラジオ体操チューリップ
ゴールデンウィーク窓拭き床磨き
雀の子知りたがりやの首傾げ
片翼に気流を押さへ冬鴎
転がつて踏みとどまつて芋の露
逃水の挑発一歩踏み出さん