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加藤 爽 句集
『白鳥』
2020/3/25刊行
角川文化振興財団

◆第一句集
序:西村和子
装丁:大武尚貴

生きるべき土地と
愛しい家族への深い思いーー。
詩的情念はときに熱き血のごとくほとばしる。
(帯・行方克巳)

◆行方克巳選 十二句抄
風止めば雪道のほの温きかな
製材所うなり入道雲光る
村眠る羽二重餅のやうな雪
地吹雪の明るく何も見えない日
みかん箱ほどに切り分け雪下ろす
ががんぼの己追い詰めゐるばかり
大氷柱象牙のやうに反りたがる
少し血を分けてください曼珠沙華
カルメンと名付けし薔薇を放任す
別れとは永久に待つこと二つ星
言へぬこと言はぬこと増え日記買ふ
どろんこの靴散らばつて春近し