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行方克巳第六句集『地球ひとつぶ』
2011/1/20刊行

◆第六句集
生涯の午後の日もだいぶ傾いてきたようだ。あるいはすでに夜に入っているかも知れない。とにかく句を作ることだけがわが日々の目的である。まさに無能無芸にしてただこの一筋につながるの思いが深い。

◆自選十句
ことだまの時に血まみれ一葉忌
極月のフェズの迷路にあそびけり
手毬唄路地のでこぼこもて弾み
春の航なまけもの座もありぬべし
泣き笑ひつなぐかちんこ鳥雲に
我が母や羅よりもあつぱつぱ
夏芝居ひゆうどろどろと描かれたる
沢ふたぎその実藍より出でし青
露ひとつぶ地球ひとつぶ露の世や
つつしめと憑坐耳に水の秋