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原 川雀句集『青丹よし』
2010/11/13刊行

企業の四十五歳研修で俳句と出会った頃、
川雀さんにとって俳句は絶好の気分転換だった。
あれから二十年、俳句は最高の心の拠り所となった。
奈良における歳月が、その結びつきを深めたのだ。
西村和子 (帯文より)

様々の影及びけり春の水
畦を焼く唐招提寺煙らせて
山桜西行庵へ深し
きりぎりす戦争少し知つてゐる
行く夏の百済観音菩薩かな
体中の芯に火の玉秋立ちぬ
この秋の愁ひともなく阿修羅かな
笛の音の新薬師寺へ月の路地
金曜の彼彼女らに落葉降る
流れ星父に抱かれて眠る子に (自選10句)